タナ障害とは
膝関節は、太もものある「大腿骨」とふくらはぎにある「脛骨・腓骨」とお皿と呼ばれる「膝蓋骨」の4つの骨から構成されています。
この膝の関節の内側に存在する滑膜ヒダを「タナ」と言います。
この滑膜ヒダが、モノを載せるための棚のように見えることから「タナ」と呼ばれるようになりました。
この滑膜ヒダは、胎児が母親の胎内にいるときに一時的に作られるので、出産後に約半数を胎児は、そのまま滑膜ヒダが残ると言われています。
タナ障害では、この滑膜ヒダが何かしらの外的刺激により炎症を起こした状態になります。
原因
タナ障害は、滑膜ヒダが大腿骨と膝蓋骨の間に挟まり炎症を起こすとされています。
そのため、バスケットやバレーボール・野球などの膝の曲げ伸ばしと打撲を伴う競技によく発症します。
また、生まれつき滑膜ヒダが大きい方は、膝を使いすぎた状態で膝を強打すると症状が出やすいです。太ももの筋肉を使いすぎて緊張が強くなると滑膜ヒダも擦れやすくなり症状が出ます。
- 膝の屈伸と打撲が多いスポーツ選手によく発症します。
(バスケットボール・野球・バレーボール・陸上競技など) - 生まれつきタナが大きい方は、膝の使い過ぎた状態で膝を強打した。
- 太ももの筋肉が使いすぎて緊張が強くなりタナを擦り炎症を起こす。
症状
膝のお皿の下の内側あたりが痛い
滑膜ヒダが引っかかる位置は、膝のお皿の下の内側になります。
そのため、膝の曲げ伸ばしを繰り返していると膝のお皿の下の内側あたりに痛みや引っかかり感を感じます。
膝の曲げ伸ばしをするとポキポキ音が鳴る
タナ障害の場合、膝を曲げ伸ばしするとポキポキと音がなります。
これは、滑膜ヒダが関節に挟まる時の音です。
また、聞こえていなくても膝のお皿の下辺りに指をおいて膝を曲げ伸ばしするとポキポキと引っかかり感を感じます。
- 膝のお皿の下の内側あたりが痛む
- 膝の曲げ伸ばしするとポキポキと音がする
治療
まずは、安静や物理療法などの保存療法
安静や運動量を少なくすることや超音波や温熱療法等の物理療法などの保存療法で治療を行います。
同時に、膝関節の柔軟性を高めるために太ももの前や後ろのストレッチを主にしたリハビリを行っていきます。
場合によって、手術で除去することも
上記のような保存療法でも、疼痛が残存し日常生活に支障をきたしたり、スポーツを行うことが困難な場合は手術療法が考慮されます。
手術は関節鏡と呼ばれる細い筒状のカメラを使ってタナを切除して膝蓋骨と大腿骨に挟まらないようにする方法のため、体への負担を最小限にとどめることができ、また傷口もほとんど目立たないような小さなものです。