膝を曲げるとポキポキ音がなる方がいらっしゃるのではないでしょうか?
患者さんにも、「先生、膝がポキポキなるのですが大丈夫ですか?」とご相談を受けることもあります。
そして、そのような方は、
- 膝を曲げるとポキポキ鳴るが痛くはない
- どこから鳴っているかいまいちわからない
のようになんとなく放置されたままの方が多いです。
ですが、結論から言いますと「ポキポキ音が鳴っている=膝が正常に動いていない」可能性が高くなります。
そのため、放置していると痛みに繋がるケースも多くあります。
今回は、そんな膝がポキポキなる原因についてお話します。
膝の正しい動きに関する重要な要素
膝関節がスムーズに正しく動くためには、ロールバック機構とスクリューホームムーブメントといった大きな2つの要素が重要になります。
ロールバック機構
膝関節は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨から構成されています。
膝関節は、少し複雑な動きをしており単純に曲げ伸ばししているわけではありません。
その複雑の動きの中で、「ロールバック機構」という重要な動きがあります。
膝を曲げるために「転がり+滑りによる後方移動」が起こりながら膝が曲がり十字靭帯や半月板の安定性や適合性を高めるといった機能を担っています。
また、この転がり滑りの運動には、大腿骨に対して脛骨の内旋運動が伴うため少し複雑に膝は曲がっているのです。
引用:https://www.health–life.com/entry/2019/11/05/200821
スクリューホームムーブメント
スクリューホームムーブメントとは、膝を伸ばしていく際にスネの骨が外旋(外に捻れる)していく動きのことをいいます
膝を曲げた状態から完全に伸ばすまでに脛骨が約10°外旋して、「骨の適合」と靭帯の緊張を高めて関節の適合を高めて関節の安定性を高める役割を担っています。
膝関節は、ロールバック機構やスクリューホームムーブメントといった機能を使って滑らかな関節の動きを実現しています。
膝を曲げるとポキポキ音がなる理由
膝を曲げるとポキポキ音がなる理由は、骨同士が衝突したり、関節周辺の軟部組織である腱や関節包が関節に挟まっているからです。
上記で説明した「ロールバック機構」や「スクリューホームムーブメント」といった膝の正常な動きが行われていないと関節はなめらかに動くことが出来ません。
その状態で、膝の曲げ伸ばしをすると骨同士がぶつかってしまったり、関節に周辺の組織は挟まってしまうことが起こってしまうのです。
膝を曲げると音がなる場合は、注意が必要
膝を曲げ伸ばしする際に、ポキポキと音が鳴る場合は注意が必要です。
現在、膝に痛みがなくても将来的に痛みを引き起高まっている高まっています。
本来では、ポキポキと音がしないはずが鳴っているということは膝の関節が正常に動かずに骨同士が衝突してしまっていたり、関節周辺の軟部組織である腱や関節包などが関節に挟まってしまっている可能性があるからです。
そのまま、放っておくと関節や軟部組織で炎症を起こし痛みが発生するかもしれません。
ですので、ポキポキと音が鳴って気になる方はそのまま放っておかず1度診てもらうことをおすすめします。