膝蓋下脂肪体炎とは?
膝蓋下脂肪体炎とは、膝蓋下脂肪体という組織が炎症を起こして痛みを引き起こす障害です。膝のお皿の裏側に膝蓋下脂肪体という脂肪組織があり、膝のクッションの役割と膝の内圧を一定にする役割をしています。
膝蓋下脂肪体の炎症が長引くと、脂肪組織が増殖し、お皿の下が腫れてきます。
膝蓋下脂肪体炎の役割
膝蓋下脂肪体は、膝の関節の動きに合わせて膝関節の中を形を変えて動いています。
膝を曲げていると膝の関節の中に押し込められた状態で、膝を伸ばしていくと膝蓋骨と共に引き出されてきます。
膝蓋下脂肪体の役割は、
- 外力に対するクッション
- 摩擦や刺激による負担の軽減
- 潤滑作用
などが、大きな役割です。
原因
- 歩きすぎやスポーツなどの運動による過負荷
- 体重の増加
- 打撲などの外傷
- 反張膝(膝が過度に伸びている状態)
- 他の膝の障害による二次的な要因(半月板損傷、変形性膝関節症、膝の手術など)
外傷や繰り返しの刺激によって、膝蓋下脂肪体は微細損傷や炎症が生じ、線維化して柔軟性を失います。
脂肪体の柔軟性が失われると、膝関節の屈曲伸展運動に伴う脂肪体の動きが阻害されます。その結果、大腿脛骨関節(FT関節)や膝蓋大腿関節(PF関節)に挟まれることで痛みが出ます。
症状
- お皿の下が腫れている
- 膝の曲げ伸ばしでお皿の下が痛い
- 階段の昇り降りで痛い
上記のような症状を認めることが多いです。
しかし、類似の症状で「膝蓋靱帯炎」「オスグッド病」などの疾患もあるため自分で判断せず専門家に診断してもらうことをおすすめします。
治療
患部の炎症が強い時期は、20分程度のアイシングを行い床に膝をついたり激しいスポーツは控えて安静を保ちます。炎症が落ち着いてきたら、正しい膝の屈曲伸展運動を作り、膝蓋下脂肪体の柔軟性を改善し、膝の運動に伴う脂肪体の動きを誘導します。
また、大腿四頭筋の柔軟性の低下は、膝蓋下脂肪体炎の発症リスクが高くなるので、大腿四頭筋の柔軟性改善を行います。
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