k変形性膝関節症(OA症)を発症した方の多くは、膝の内側に痛みを訴えます。
また、これから変形性膝関節症になりかけている方も膝の内側に痛みを感じることが多いです。
なぜ、膝の内側が痛むのでしょうか?
その理由には、膝関節独特の動きが関係しています。
膝関節には、スクリューホームムーブメントという作用があります。
簡単にいうと膝を伸ばしていくと、スネの骨が外旋していくという作用です。(外側にねじれる)
変形性膝関節症の方の場合、これが大きくねじれていることがあります。
それにより、膝の関節に過度なストレスがかかり痛みを発生させています。
今回は、そんな膝関節独特の動きと膝の痛みの関係についてお話していきます。
スクリューホームムーブメントとは
先ほど少し説明しましたが、膝関節には独特の動きがあります。
膝を曲げ伸ばしする際に単純に曲げ伸ばししているわけではありません。
膝関節は、曲げた状態から伸ばしていく時にスネの骨は外旋(外に捻じれていく)していきます。
このように脛骨大腿関節(FT関節)における膝伸展に伴う脛骨外旋運動はスクリューホーム運動(screw home movement)と呼ばれ、生理学的な回旋運動とされています。
また、スクリューホームムーブメントによって完全に伸ばしきった状態から曲げていく時はスネの骨が内旋(内に捻じれていく)していきます。
膝関節を曲げ伸ばしをする際は、単純に曲げ伸ばしをしているわけではなくスクリューホームムーブメントといって回旋動作が加わりながら動いているのが正常な動きとなっている。
脛骨外旋症候群とは
脛骨外旋症候群では、このスクリューホームムーブメントによって起こるスネの骨が外旋していく動きが過度に外旋していく場合をいいます。
膝を伸ばしていくと過度に外旋してしまうため、逆に曲げていくと内旋不足になってしまいます。
このように、スネの骨が外旋位であることによって曲げ伸ばしの動きが機能異常になり、異常な回旋アライメントでの運動を反復することで膝内側へのストレスが増大し痛みを引き起こす原因になります。
脛骨外旋症候群になる原因とは
- 大腿筋膜張筋の過度な緊張
- 骨盤や脊柱のアライメント異常
- 半腱・半膜様筋の活動低下
- 足首のアライメント異常
大腿筋膜張筋の過度な緊張
太ももの外側にある大腿筋膜張筋はふくらはぎの骨の外側(脛骨外側・腓骨頭)に停止しているため過度に緊張していると骨を外側に引っ張って脛骨が外旋してきてしまいます。
骨盤や脊柱のアライメント異常
こちらも大腿筋膜張筋の影響によるものですが、大腿筋膜張筋は骨盤(上前腸骨棘)から着いてします。
そのため、骨盤の傾き・アライメント異常が起こると筋肉の伸長具合も変わるため大腿筋膜張筋を介して脛骨が外旋に持っていかれてしまいます。
半腱・半膜様筋の活動低下
太ももの裏側の内側にある半腱・半膜様筋の活動が低下する(うまく使えなくなる)と脛骨を内旋する力が弱くなり、大腿筋膜張筋の力と半腱・半膜様筋の力のバランスが崩れて脛骨が外旋に持っていかれてしまいます。
足首のアライメント異常
足首のアライメント異常を影響を及ぼします。
人間のカラダには、運動連鎖といって足部が内側に傾いたら膝を内側に傾くといった連鎖的な動きがあります。
そのため、足部のアライメントが崩れると膝関節も無理に捻じれ脛骨が外旋位に持っていかれてしまいます。
脛骨外旋症候群を改善することは膝痛改善に繋がる
脛骨外旋症候群になっているとそれだけで、膝痛の原因になります。
逆を返して言えば、脛骨外旋症候群を改善してあげれば膝にかかるストレスは減り膝痛の改善に繋がるともいえます。
そのため、脛骨外旋症候群になっている方はまず脛骨外旋症候群を改善しましょう!